2016年7月17日日曜日

あにれくのあぶく:古墳・遺跡の楽しみ方 その4(宮崎 江田神社) 前渋

前渋です。

第3回は淡路島のイザナギ、イザナミの国産み神話にまつわる地を紹介しました。
今回は国産み・神産み神話のラストにまつわる地を紹介します。

協力して多くの神々を生むイザナギ、イザナミですが、その中で火の神であるカグヅチを産みます。
そして、カグヅチの火によって火傷を負い、イザナミは死んでしまいます。




イザナギは深く悲しみ、黄泉の国までイザナミを迎えに行きます。その結果あっさりとイザナミの元に辿り着くのですが、イザナミはこう言います。

「死者の国のモノを口にしてしまい、既に黄泉の国の住人になってしまいました。でもせっかく来てくれたので黄泉の神々に相談してみます。こっちを見ずにしばし待たれぇ~い」

ということでイザナギは待つのですが、待てども暮らせどもイザナミは戻ってきません。
我慢しきれずにイザナミの方を見てしまいます。すると、そこには醜く腐ったイザナミがいました。

イザナミは、「みぃ~たぁ~なぁ~」と怒り狂い、イザナギを追いかけます。
イザナギは黄泉の国から地上に向かって逃げ出し、黄泉の国と地上との境界である黄泉平坂の地上側の出口を大岩で塞ぎます。

こうして地上に戻ってきたイザナギは、黄泉の国の穢れを落とすために禊を行うのですが、イザナギが体の各部を洗う毎に様々な神が生まれるのです。
身体の下側から洗っていき、最後に鼻、右目、左目を洗う事によってスサノオ、ツクヨミ、アマテラスの三貴子がお生まれになります。出雲神話で大活躍するスサノオや皇祖神アマテラスの誕生によって、国産み・神産み神話のラストとなります。

イザナギが禊を行った地、つまり三貴子が御生まれになったとされる御池が宮崎県の江田神社にある禊の御池だと言われています。
江田神社の由緒書 2013年10月撮影

江田神社にはガイドボランティアさんが常駐していまして、お願いすれば無料で色々と説明しながら案内してくれます。ボッチ旅にはとてもうれしいサービス。
江田神社のガイド看板 2013年10月撮影

これが三貴子が御生まれになったと言われる禊の御池です。
江田神社の禊の御池 2013年10月撮影

池には亀が泳いでいました。神に想いを馳せている時に亀を見たものだから、「カミ、カメ」一文字違いか、、、等と変に反応しそうになるのですが、そこにいた亀は完全に外来種だったのが残念です。

この江田神社をはじめ、宮崎県は大和建国前と考えられる神話や伝承に溢れている、とてもエキサイティングな場所。
まだ一度しか行った事が無いのですが、完全に虜になってしまいました。
宮崎県に定期的に行く環境を作るために、宮崎県の企業にクライアントが欲しいと営業計画を練っているくらい。

皇祖神 天照大神の信仰の中心は伊勢神宮かもしれませんが、誕生の地とされている候補地の1つがこの江田神社です。伊勢神宮に参拝するのなら、この江田神社にも参拝してみてはいかがでしょう。