2017年1月16日月曜日

第3回 神志那弘志の実践パーツ講座【足編】 アフターレポート

2017年1月9日(月)に「神志那弘志の実践パーツ講座」の第3回、【足編】が行われました。

【手編】【腕編】に続いて、今回は足首から先のパーツ【足】にスポットを当てた講座です。朝から小雨がパラつく、あいにくの天気となりましたが、受付開始時間前から受講者が来場し始め、会場の東京工芸大学中野キャンパス2号館の席はどんどん埋まっていきました。年明けすぐの祝日ということもあり、参加者数が懸念されましたが、多くの受講者に集まっていただけました。




最初に、司会を務める声優の鳴海真奈美さんから、受講時の諸注意および施設の
案内などのアナウンスがありました。続いて「あにれく」代表として奥田誠治氏が挨拶、講座の狙いや意義などの説明があった後、講師の神志那弘志氏が登壇し、開講となりました。美術解剖図を見ながら、構造を理解し人体のパーツを書くことの重要性について語る、神志那氏。



受講生に配布されたテキストには、様々な角度から見た【足】の骨格、筋肉の構造図が掲載されています。神志那氏は書画カメラで実際に絵を描きながら、【足】を描く上でポイントとなる点を丁寧に解説していきました。受講生も同じく、実際に描きながら聴講します。耳で聞いただけ、目で見ただけでは、なかなか描く上でのポイントは分かりづらいもの。



「描く」ことで手に覚えさせながら理解を深められるのが、この「実践パーツ講座」の醍醐味ではないでしょうか。骨の付き方や重心の位置、肉の盛り上がり方など、少し気をつけて描くだけで格段に【足】が上手くなるコツが、様々な角度の【足】を描くことによって伝えられていきます。



受講者は皆、黙々と筆を動かして、いくつもの【足】を描いていきました。「くるぶし」にあたる骨が膝から垂直に降りて来ていないので、重心が内側に掛かること。それにより、親指の付け根の辺りに重心が来ることなど、次回開催予定の【脚編】につながるポイントなどにも少し触れつつ、一通りの角度を描き終えたところで、今度は履き物を履いた【足】を描くことに。実際にアニメの現場で素足を描くケースは少なく、靴を履いている状態が大半なので、そういった意味でも「実践」です。

ローファー、スニーカー、ハイヒールと素材の厚み、ヒールの高さが違う靴を履いた状態の足を描いていきます。「中に入っている【足】さえ描ければ、その上に乗せるだけで簡単に描ける」と神志那氏。さらには、その【足】に掛かったズボンの裾を描く際のポイントもレクチャー。スラックスとジーンズの、生地に因るしわの寄り方の違いなどを解説して、今回の講座は終了となりました。



閉講後の恒例となった親睦会では、自由参加にもかかわらず、ほとんどの受講者に参加していただきました。受講後の皆様の表情を拝見し、今回の講座も満足していただけたものと、ホッと
胸をなで下ろすスタッフ一同。終わって会場の外に出ると、開始前の雨雲はどこへやら、雲一つない薄暮の空に白く輝く月が浮かんでいました。

改めて、受講していただいた皆様に、スタッフ一同より御礼を申し上げます。
ありがとうございます。