2021年8月18日水曜日

『絵コンテを切る‼︎』第8回

ども、博多です。

「山場」のお話。

「山場」を強調するために「平場」をたっぷり用意する、と言いましたが、それはストーリーがきちんとしている場合の話です。
ドラマに盛り上がりがあり、セリフに聞かせどころがあって、それだけで間が持つ場合です。

悲しいことに、「どうしようもない」シナリオに当たるケースがあります。

特に(シナリオの)山場らしい山場がない。
シリーズ中の大きな話の、完全に「承」の部分だけである。
話のピントがぼけていて、何を言いたいのか分からない。
何度読んでもシナリオの「核」が見えてこない。
セリフが何を言ってるのか分からない。
などなど。

こうなってくると「山場」の設定が難しく「平場」との配分も変わって来ます。
頭を切り替えて「目で楽しませる」コンテに徹して、視聴者を飽きさせない工夫をしましょう。

キャラをガンガン動かし、凝ったアングルのショットを作り、テンポよくカットを切り替え、「何だか分からないけど面白そう」なフィルムを目指しましょう(笑)。


逆に言うと、
シリーズの流れ的に大して重要でもない話が、やたらテンションが高くて作画がゴリゴリ動いていたら、そういうことかもしれません。


コンテを切り始めた人が陥りがちな「全部山場」の罠。
56分くらいのミュージックビデオやショートフィルムくらいならアリかもしれません。

とにかくこれだけは覚えて帰ってください。

「山場」のセリフは頭に入ってこない。



では、また。


博多