2021年11月4日木曜日

『絵コンテを切る!!』第13回

ども、博多です。

さていよいよ、ここからが本番。
コンテ用紙を前にして何から始めるか、っていう話です。

用紙と筆記用具、シナリオがあればコンテが切れるわけではありません。
コンテを切るには、その作品の設定資料が必要です。
コンテの絵が何を示すか分からないといけませんからね。
設定を見て、何となくでも「それ」に見える絵で描かなければならない。

なので、
まずは作成した香盤表を元に、これから描くシーンに必要な設定を用意します。
香盤表にはシーンの場所と主な登場人物を書いてあるので、一目瞭然ですね。

実はこの「設定を用意する」作業は絵コンテに限らず、どのセクションにおいても意外と時間を食います。
一本のアニメーション作品を作る時、キャラクターだけでなく、小物、メカ、美術など膨大な量の設定資料が作成されます。

各話のみの設定だけでも、多い時には百点以上、ワンシーン、ワンカット、何なら画面の端に見切れるだけのものにも設定が用意されています。
それらの設定を参照して作業に臨むわけですが、必要な時に都度都度引っ張り出してきて見るのは効率が悪すぎます。


できれば、
そのシーンに必要な設定はひとまとめにしておきたい。


私は一日の仕事の初めに、必ず設定を整理して、その日使う分だけ用意します。
「設定を探す」時間を限りなく減らすためです。
設定を探す行為は、絵コンテを切るという作業の集中力を低下させます。
すなわち、効率を下げることになります。


何度も言っていることですが、
私は基本的に、仕事は効率良くやるべきと考える質なので、事前準備を大切にしています。
でも、その「時間短縮」が積もり積もって、「絵コンテを早く切る」ことに繋がるとも思っています。


では、また。



博多