ども、博多です。
さらに、絵コンテをカキカキしながら心掛けておきたいことの続きです。
基本的に、映像を作る時には「無駄なカット」を極力排除していきます。
それは予算的なことでもあるし、尺的なことでもあります。
商業アニメの宿命として、決められた尺内に収め、無駄な予算を掛けずに、スケジュール内にキチンとフィルムを納品しなければならない。
そのためには、1カットたりとも「無駄なカット」を作るわけにはいかない。
だからといって、
脚本の文章をそのまま絵に起こせばいいかというとそういうわけでもない。
ト書きには書かれてない脚本家の意図を汲み取って、キャラクターの演技や間、空気感をちゃんと見せないといけません。
そして、初めの頃は、
それらを全部ブチ込んで絵コンテを切っていくと「必ず」とんでもなくオーバーします。
尺もカット数も。
これはほぼ間違いなくそうなります。
ヒドいと300カット想定のシナリオで500カットとか上げてきちゃいます。
そんでもって、切っている本人曰く、「全て必要なカットです」。
……本当にそうでしょうか?
コンテを切っている時は夢中で気づかない事が多いのですが、一度冷静になって「なぜそのカットはそうなのか?」と自分に問い掛けてみましょう。
「そのカットは何を表現したいの?」「そうじゃないといけない理由は?」と。
例えば、キャラクター。
なぜ、この時間帯にそのキャラ(たち)にカメラを向けるのか。
なぜ、その画角じゃないといけないのか。
なぜ、そんな表情なのか。
例えば、カメラアングル。
なぜ、俯瞰(アオリ)でなければいけないのか。
なぜ、PANさせるのか。
なぜ、TU(TB)が必要なのか。
例えば、背景。
なぜ、このタイミングでそこを見せる必要があるのか。
なぜ、その尺で見せる必要があるのか。
理想を言えば、全カットに明確な理由があってそれを説明出来なければいけない。
ま、300カットもあったら、都合で尺を埋めたり、シーンの間を繋いだり、カットとカットの間にクッション的に入れるカットもあったりするので、何カットかは「?」のカットもあったりしますけど。
とはいえ、
そのカットの目的は明確でなければいけません。
すると、あら不思議。
今まで「必要なカット」だと思っていたカットが、「蛇足カット」や「雰囲気だけのカット」に早変わりしちゃいます。
逆に言うと、
「一見、必要なカット」でも本当に必要かどうかを疑って掛かり、「絶対に外せない必要なカット」としてどれだけ絞り込めるか、が肝要なのです。
監督チェックやカッティング時に、簡単に「欠番」をバンバン出されるようなコンテは、まだまだ推敲が足りないということです。
絵コンテをカキカキしながら常に心掛けておきたいこと。
それは「今、何を目的にしたカットを作っているのか」。
超大事。
そして次回、やっとこさ最終回。
……まとめます。
では、また。
博多