おすすめの本:小津安二郎「僕はトウフ屋だからトウフしか作らない」
どうも、徐です。中国から日本へ来て色々勉強中の新人演出です。
僕は日本アニメや映像が好きで、その中で特に小津安二郎監督が好きです。そして小津監督は今の日本アニメにかなり大きく影響を与えていると僕は思います。
僕は色々なアニメでローアングルが多用されていると感じています。新人がレイアウトを描き始める時、必ずローアングルのアイレベル知識を教えたりしています。(会社によって違いますが、僕の周りではローアングルが多いと感じています。。)
本日を紹介する本ですが、残念ながら、小津監督のレイアウト術などではなく、自伝みたいな本です。今読んでいる君にはきっと「なんだ、レイアウトと関係ないのかい!」と思うでしょう。でも、僕はレイアウトより、こうした人生の歩き方の本の方が仕事の役に立つと思います。
著者の小津監督の話をお借りしますが「映画には、文法がないのだと思う。これでなければならないという型はない。優れた映画が出てくれば、それが独得の文法を作ることになるのだから、映画は思いのままに撮ればいいのだ」。なので、監督により、映像の語り方が変わったりするのも当然のことになります。
そしてこの本、全編特に大きな理論やルールを教えてはいないですが、小津監督からこの世界を覗く目線や考え方を色々語っています。
僕はこう思います。
映像の文法はその映像の監督がこの世界を見る見方そのものではないでしょうか? これこそ最強の演出術なのでは?
なので、今ブログを読んでいる君に、この本をおすすめします。
尚、このアニメ業界で色んな作品で苦労してきたアニメーターにとって、小津監督の人生の歩き方も一つ励ましの良い薬になると僕は思います。先輩たちからいやなことをやらされ、途中アニメをやるかどうか、自分の人生の道どうやっていけるのかを悩んでいる君に、この本をおすすめします。
まあ、「ちゃんとしたアニメーターや演出は全てのジャンルの映像を作れないといけない、これこそプロじゃないか?」の先輩の理論より、意地を張って、「僕はトウフ屋だからトウフしか作らない」と自分に聞かせ、心の余裕を作りませんか?