2021年5月1日土曜日

『いよいよ大台に乗ってきた』件 その3

 ども、博多です。


いつまでも新人気分で仕事できないって話の続きです。



で、まあ、

それなりに作品数も増えてきて、演出家として10年以上のキャリアを積んでくると、当然のように後進もできてくるわけです。

その人たちからすると、私も一応先達ということになって、あれこれ相談されたり話を聞いてくれたりします。

思ってるかどうかは知りませんが、「すごいですね」だの「なるほど。勉強になります」だの気持ち良い言葉をかけてくれたりするわけです。

思ってるかどうかは知りませんが。


こうなってくると、いつまでも「駆け出しのペーペー気分」でやってられません。

相談されたらそれなりに経験を基にアドバイスしたり、自分の体験談などを話して仕事の参考にしてもらったり、「お手本」とならなければいけない。

これが私の性分だと、とにかく「後ろめたい」。


「お手本」になれるほどの技術はあるのか。

経験を積んだのか。

人間としてどうなんだ。

そもそも、お前にはできているのか。

今もし同じ状況になったらお前もそうなるんじゃないか。


という想いがグルグルぐるぐる渦巻くわけです。


と、

ここで一つの金言があります。


「心に棚を作れ!」(BY 島本和彦)


とりあえず、そういう想いは一旦棚に上げ、自分ができてるかどうかは別にして、指標を言葉で示すことはできます。

できてないことは言葉にしてはいけない、わけじゃない。

それによって、後進が救われるのであれば、いいじゃないか。


そんな風に割り切って、近年は話をすることにしています。

常に心の中でツッコミを入れながら。


「お前が言うな」




では、また。



博多