2021年9月9日木曜日

『絵コンテを切る‼︎』第11回

 ども、博多です。



シナリオでシーン分けと想定カットの配分が出来たら、「香盤表(兼 進行表)」を作成していきます。


私がいつも使っている香盤表は、こんな感じです。





準備の段階でここまで書き込んでおいて、コンテの全体像を把握しておきます。


実際にやってみると分かりますが、この表を作成した段階で、実はもう、ほとんどコンテの完成形が見えています。

なぜなら、シナリオを読み込み、頭の中で映像が流れている状態で、各シーンのカット割りと長さが想定出来ているから。

後はそれを適切にコンテ用紙に描き出せば良いだけです。


コンテを切り始めたら、以下の部分に書き込んでいき、カット数、秒数の過不足を確かめつつ作業を進めていきます。





エクセルなどの表計算ソフトで、最初にテンプレートを作ってさえおけば、赤字の部分は勝手に埋めてくれるので、ラクチンです。





全体の進行状況を可視化し、常に確認しながら作業を進めていくことで、致命的な大直しや遅延を防ぐことができます。

以前も言ったように、「納期を守る」ことがコンテマンとしての強みになるので、スケジュール通りに上げるためにも、この香盤表作成は「必須」と私は考えます。



ちなみに、

この香盤表は【大師匠】芦田豊雄の直伝です。

最初にこれを教わっていたので、今まで一度も混乱することなく、絵コンテが切れています。


本当に本当に本当に、本っっ当〜〜〜に【大師匠】には感謝しかないです。

実際に、面と向かって、言葉にして、感謝を伝える事が出来なかったのが、今でも悔やまれます。

私のバカ‼︎



さて。


このように、コンテ用紙に向かうまでに周到に準備をしておくことが肝要です。

また、綿密に準備しておけば、大きなトラブルも回避しやすくなります(ないわけではない)。

仕事の大半は準備である、とはよく聞く言葉ですが、こと作業量の多い「絵コンテを切る」という仕事においては至言でしょう。



では、いよいよコンテ用紙に……


と言いたいところですが、もうひとつ、最後の準備があります。

こちらは準備というより、ほぼ実作業なのですが。



次回に続きます。


では、また。




博多