2021年6月5日土曜日

『大前説』の件 その2

ども、博多です。


1ヶ月で30分番組の絵コンテ1本を切る」のが大変って話です。


30分番組とは言いますが、実のところOPEDCMなどを除くと、本編尺は20分前後です。

秒数に直すと長いもので1280秒くらい、短いものだと1180秒とかです。


とはいえ、です。

1200秒の絵コンテとはどれほどの物量か。


近年の標準的な30分枠のTVアニメのカット数はおよそ300カット前後です。

アクション多めの作品やリアルなスポーツ物だと、350カットから400カットを超えるものもあるでしょう。

会話劇主体、長回しOKな作風だと250カットを切るものもあったりします。

ピンキリでカット数はだいぶ前後しますが、そのくらいのボリュームです。


ところで、

基本的にコンテ用紙のコマ数は5コマです。



単純に300カットを1コマずつ埋めていったとして60枚は必要になります。

でも、そんなコンテ、見たことありません。


カットの中には、動きがあったり、カメラワークがあったり、1コマに収まらない長ゼリフがあったりします。


全カットすべて行儀よく1コマで収まったりしないのです。


私の経験を基にざっくり平均すると、30分番組1本分の絵コンテに必要な用紙は120枚前後。


先ほど述べた通り、作品によってカット数や、カット内容による必要なコマ数の多少はあるので、多い時は150枚以上、少ない時は100枚行かないこともあったりします。

もちろん同じ内容であっても、人ぞれぞれ、書き方によっては枚数が増減します。

字が大きくて、少し長いセリフになると1コマに収まらないとか、シーン変えのカットは必ず別の紙に移るとか。(これ、私)。


じゃあ、120枚としましょう。

120枚の絵コンテを1ヶ月で書くとなると、単純計算で毎日4枚書き続けないと終わりません。

日曜に休むことを考えると、4枚以上書かなければ終わりません。



あなたは書けますか?



……この話、続きます。



では、また。



博多




ちなみに調べてみたら、私が今まで切った中で1番多かったのは「183枚」でした。

366カット、1349……尺大幅オーバー(笑)。