2021年6月30日水曜日

『絵コンテを切る!!』第4回

ども、博多です。



シナリオはちゃんと読み込まないとダメって話の続きです。



絵コンテの最初の作業はなんでしょう?


「実作業」としては「コンテ打ち(合わせ)」になります。

コンテ打ちとは、監督から作品の設定、キャラクターの性格や関係性、ストーリーの流れなどを聞いたりして、コンテの方向性を確認、擦り合わせしていく作業です。

ここで作品の全体像が把握出来ないと、トンデモコンテを切ってしまいます。


2回で書いたように、作品の中の「基準」「良し悪し」「是非」を決めるのは監督です。

監督の求めるコンテを切れないコンテマンは使ってもらえません。修正が大変ですからね。


商業アニメの絵コンテを切る上で、「コンテ打ち」が実は一番大事な時間だと言えます。

監督に直に質問したり、意見を言えたりするし、こちらの意図を事前に伝えて確認出来たりします。

ここで密にコミュニケーションを取っておくことで、「ズレたコンテ」を切るのを回避出来ます。



ただし!


それには「コンテ打ち」の段階ですでに、自分の描きたいコンテがある程度固まっている必要があります。

ぼんやりと形が見えている状態で話をするのと、まだ何もない状態で話をするのでは全然違います。


演出処理をやっている時に、作打ち(作画打ち合わせ)でコンテをしっかり読み込んで来るアニメーターと全く読まずにいきなり打ち合わせしちゃうアニメーターでは全然上がりが違う、みたいなことですよ。

……て、業界の話で例えられても!(セルフツッコミ)


料理しようとする時に、何を作るかを決めてから作り出さないと迷走しちゃう感じ?

とりあえず、鍋に豚肉、ジャガイモ、人参、玉ねぎ入れて作り出したけど、カレーにもシチューにも肉じゃがにもなっちゃうゾ、的な……(合ってるか、この例え?)。



……まあ、とにかく(汗)。


「コンテ打ち」時点で監督にこちらから確認の質問や、やりたいことの提案などが出来るくらいまでがっつりシナリオを読み込んでおくことが肝要ということです。

なので、最初の質問の答えとしては、「もらったシナリオに目を通して、コンテの輪郭を描いておく」です。


シナリオを読み込んだ上での「コンテ打ち」はとてもスムーズに進みます。当たり前ですが。

監督に、こと細かに説明していただくのが申し訳ないくらい。


ずっと関わっているシリーズ物や、気心知れている(こちらの上がり具合を分かっている)監督だと、その時間はどんどん短くなっていきます。

コンテ打ちの時間は大抵2時間くらいで想定されてますが、実質30分雑談1時間半なんてことも結構あります。

……というか、最近そんなのばっかだな。



何をするにも下準備が大事ということですね。

下準備さえしっかり出来ていれば、その仕事の半分は終わってると言っていいでしょう。


理想中の理想は、コンテ打ちの時点で切るコンテが固まっていて、あとはアウトプットだけという状態ですね。

そうなると、2週間でコンテ切れます。マジで。


なので、

制作の皆さん、なるべく早めにシナリオください。前後話数のシナリオも。



次回は、シナリオを読み込んだ後の話。


では、また。




博多